後期高齢者診療料、算定施設は1割/08年度改定影響調査  PDF

後期高齢者診療料、算定施設は1割/08年度改定影響調査

 厚生労働省は3月18日の中医協・診療報酬改定結果検証部会で、2008年度改定の影響を調べる特別調査のうち、後期高齢者診療料の算定状況などについての結果を報告した。後期高齢者診療料の施設基準を届け出ている医療機関のうち実際に算定していたのは1割にとどまり、算定が広がっていない状況が明らかになった。

 算定していない理由(複数回答)は、(1)患者が後期高齢者診療料を理解することが困難(61.6%)(2)必要な診療を行う上で現行点数(600点)では医療提供コストを賄うことができない(51.9%)(3)ほかの医療機関との調整が困難(52.7%)―が上位となった。

 算定している医療機関に対して、今後算定を増やすかどうか聞いたところ、「維持」が50.5%で最も多く、「減らす」が24.3%で続き、「増やす」は18.0%だった。

 算定による効果については、「心身の状況や疾患の経過についての継続的な管理」に関しては、「効果あり」が37.5%、「効果なし」が34.6%と、「効果あり」が若干多かったが、「ほかの医療機関への受診状況や診療スケジュールの把握」では「効果あり」が29.2%、「効果なし」が38.8%、「ほかの医療機関との診療、検査、投薬の重複を回避すること」では「効果あり」が28.2%、「効果なし」が38.8%と、「効果なし」とする割合の方が高かった。

 通院回数や検査頻度を前年と比較した場合、「変化なし」がおおむね8割を占めた。「3カ月間の総通院回数」「検尿の頻度」「血液検査の頻度」「心電図検査の頻度」は「減少」が「増加」を上回った一方、「生活機能の検査頻度」「身体計測の頻度」は「増加」が「減少」を上回った。

 患者を対象とした調査では、27.1%が算定に満足と答えた。算定後良かった点(複数回答)については「治療方針など今後のことが分かりやすくなった」(35.3%)、「良かったことはない」(31.8%)、「医師から受ける病状などの説明が分かりやすくなった」(31.3%)の順。算定後に気になった点(同)は「ない」(49.7%)、「説明があれば定期的に書類をもらわなくていい」(33.3%)、「診療時間や待ち時間が長くなった」(18.6%)の順で多かった。

 後期高齢者診療料に関しては、届け出医療機関3500施設に調査票を郵送し、08年11月の状況について尋ねた。回答は1110施設で、回収率は31.4%だった。改定結果検証部会の調査検討委員会が今後、調査結果を分析して報告書をまとめ、同部会に諮る。(3/19MEDIFAXより)

ページの先頭へ