後期高齢者医療で舛添私案 廃止を総選挙の争点に

後期高齢者医療で舛添私案 廃止を総選挙の争点に

 9月24日に麻生内閣が発足し、解散・総選挙に絡み、後期高齢者医療制度を巡る政府の動きが慌ただしい。

 自民党総裁選さなかの19日、舛添厚労相が新制度検討という一報が流れた。基本方針として(1)75歳以上など年齢で区分けしない(2)保険料の年金天引きを強制しない(3)世代間の反目を助長しない―を示し、1年かけて議論するとした。麻生氏もこれを受けて「抜本的に見直す必要がある」と発言。

 これが急転したのが22日の自民、公明両党による連立維持のための政権合意。この中で、5年後の見直しを前倒しして「より良い制度に改善する」とした。

 25日には制度見直しを議論するために急遽設置した「高齢者医療制度に関する検討会」(座長=塩川正十郎・元財務相)の初会合が開かれている。

 舛添厚労相は30日に会見で私案を提示。私案は市町村が運営する国民健康保険を都道府県単位の「県民健康保険」(仮称)に再編し、75歳以上の医療も一体運営するというもの。

 同私案でも、75歳以上の給付費の構成を保険料1割、現役の支援4割、税5割に固定する現行の骨組は残される。すなわち、医療費キャップ制を見直す考えはないということである。今、同じ仕組みである介護保険は、低賃金による介護労働者離れから介護報酬引き上げが契緊の課題となっているが、保険料引き上げにつながることがネックとされている。舛添厚労相は将来的な介護と医療の統合検討も表明(17日)。

 来るべき総選挙では、この制度の廃止こそが問われなければならない。

【京都保険医新聞第2659号_2008年10月6日_1面】

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