後期高齢者制度の保険料滞納率は約8%/
厚労省、18広域連合を調査
厚生労働省は12月11日、約8%の後期高齢者が保険料を滞納しているとの調査結果を民主党の厚生労働部門会議で明らかにした。調査は18都道府県の広域連合から集計したもので、銀行振り込みなどで保険料を支払う「普通徴収」の6、7月時点での滞納率を調べた。民主党の山井和則衆院議員は、後期高齢者医療制度の導入によって75歳以上の滞納者に対しても被保険者証の返還を求め、代わりに資格証明書を発行する仕組みになったことに対し、「無保険のお年寄りが出て、医療にかかれなくなる」と述べ問題視した。
調査結果によると、18広域連合の平均の滞納率は8.44%で、最も滞納率が高かった広域連合は16.77%だった。7月時点での全国の普通徴収対象者数(見込み) は約280万人で、単純計算すると全国で23万人が滞納していることが推定される。
ただ、調査対象には年金からの保険料の天引きを行う「特別徴収」は含まれておらず、厚労省保険局高齢者医療課の吉岡てつを課長は「特別徴収や10月から徴収が始まった被扶養者の数字は含まれていない」と説明し、滞納率は今後改善される見通しだとした。
これに対し山井衆院議員は、2008年3月までの老人保健制度では75歳以上の高齢者には資格証明書が発行されていなかったと指摘。後期高齢者には資格証明書を発行しないよう求めた。吉岡課長は「相当な収入があるのに保険料を納めない悪質な者に限って適用する」と述べ、必要な医療が受けられるよう広域連合に求めていくとした。(12/12MEDIFAXより)