後期高齢者制度、1年めどに見直し検討/麻生首相が所信表明
麻生太郎首相は9月29日衆参両本会議で所信表明演説を行い、後期高齢者医療制度について「1年をめどに必要な見直しを検討する」と述べ、制度の骨格は維持したまま必要な見直しを検討する考えを示した。 また、医師不足や介護の人手不足などの解消にも努めるとした。
後期高齢者医療制度について、麻生首相は「説明不足もあり国民をいたずらに混乱させた事実を虚心に認め、強く反省する」と述べ、行政として事前の説明が不足していたことを認めた。一方で「この制度をなくせば解決するものではない」と述べ、野党が提出している後期高齢者医療制度の廃止法案の成立を強く否定した。
また、救急医療の「たらい回し」や産科小児科の医師不足、介護の人手不足などについて「不安をわが事として1日も早く解消するよう努める」と述べた。
経済施策について麻生首相は当面は景気対策、中期的に財政再建、中長期的には改革による成長の三段階で臨むとした。実施期間について「めどをつけるには大体3年。日本経済は全治3年」と述べ、3年間で経済の立て直しを行うとした。景気対策では2008年度内に定額減税を実施し、補正予算の成立を目指すとした。
財政再建の目標として政府が掲げる11年度までのプライマリーバランスの黒字化については、達成すべく努力するとした。一方、麻生首相は「財政再建は手段、目的は日本の繁栄。経済成長なくして財政再建はあり得ない」と述べ、内閣の目的は日本経済の繁栄にあると強調した。(9/30MEDIFAXより)