後期高齢者の「退院支援報告書」北海道で181件/舛添厚労相
舛添要一厚生労働相は11月19日の衆院厚生労働委員会で、一般病棟に入院している後期高齢者が91日目から減額となる「後期高齢者特定入院基本料」について、減額を回避するための条件となっている「退院支援状況報告書」の都道府県別の提出状況(速報値) を発表した。長妻昭氏(民主) の質問に答えた。
都道府県別に見ると、北海道が181件で最も多く、東京175件、愛知136件、福岡96件、大阪67件、宮城58件、広島43件と続いた。
診療報酬では後期高齢者医療制度がスタートする以前から、一般病棟に90日を超えて入院している後期高齢者患者は、後期高齢者特定入院基本料(2008年3月までは老人特定入院基本料、928点) を算定する仕組みとなっていた。10対1入院基本料(1300点) を算定している病院でも91日目からは928点となり372点のマイナスとなる。一般病棟は救急患者や重症患者のための病棟であり、長期入院が必要な患者は療養病床や老健施設に移ってもらうなど病棟の機能分化が狙いだった。
ただ、これまで減額から除外されていた脳卒中の後遺症と認知症の患者は、08年度改定で密度の高い医療の必要性が低いと判断され、特定入院基本料の対象に入った。ところが、患者が行き場を失うとの指摘が上がったため、退院支援の概要を記載した「退院支援状況報告書」を社会保険事務局に提出すれば機械的に減額しないことになった。(11/20MEDIFAXより)