役割分担、全国20病院でモデル事業/厚労省、医師と看護師らの協働推進
厚生労働省は、医師と看護師、助産師らの役割分担を推進するための研修をモデル事業として全国20病院で実施し、1カ所当たり上限500万円を補助する方針を決めた。厚労省は医師不足対策の一環として、2007年12月に医師と看護師ら医療関係職との役割分担の具体例を示した通知(役割分担通知)を発出しており、今回の「看護師等協働推進研修モデル事業」は役割分担通知を踏まえた内容。医師と看護師らの協働を推進する効果的な研修方法や連携方法を検証するのが狙いだ。
モデル事業では、(1)医師と助産師との役割分担、(2)医師と看護師らの医療関係職との役割分担─について、役割分担通知に盛り込まれた内容に関する研修を行う。助産師に対する研修は、正常な経過をたどる妊婦や母子の健康管理のほか、妊産婦健診や病院内の正常分娩の取り扱いなどについて、医師と助産師が連携する仕組みを検討する。
看護師や准看護師、保健師に対しては、(1)薬剤の投与量の調節、(2)静脈注射、(3)救急医療などでの診療の優先順位の決定、(4)入院中の療養生活に関する対応、(5)患者・家族への説明─についての研修を実施する。具体的には、医師の事前の指示に基づく薬剤管理や投与量の調整、夜間・休日救急での看護職による診療の優先順位の判断などを行う。
研修人数は助産師研修が10人以上、看護師らの研修が30人以上。モデル事業の実施後は研修プログラムやガイドライン、実施効果などの評価を行い、報告書を提出する。(1/30MEDIFAXより)