当直明け勤務に「緊急停止ボタン」を/勤務医労働環境シンポ実行委
「勤務医の労働環境を考えるシンポジウム」実行委員会はこのほど、勤務医の交代勤務態勢を整え、当直明けの連続勤務禁止を求める提言を発表した。同実行委員会は「勤務医の過重労働は限界に達しており『緊急停止ボタン』を今押さなければ、これまで以上の惨事につながる」と指摘。医療現場の過重労働に歯止めをかけなければ、厚生労働省で議論が進んでいる「安心と希望の医療確保ビジョン」も「砂上の楼閣」になるとの見方を示した。
提言では、勤務医の過重労働の原因となっている「当直」を労働法規に従って正しく夜間勤務と位置付けるよう主張。「当直」という呼称を廃止し、早急な交代勤務態勢の整備を求めた。また、夜間勤務明けの医療行為は医療事故・医療ミスにつながる危険な行為であることを行政や医療関係者、患者が共に認識するよう求めた。
6月28日に開かれたシンポジウムの来場者に対して実施したアンケート結果によると、有効回答のすべてが過重労働が原因となった医療事故・医療ミスがあるとし、医療関係者の84.5%は夜間勤務の翌日も連続して医療行為を行う現状はよくないと回答した。医師の過重労働の責任の所在に関しては、行政83%、病院66%、患者61%と続いた。(8/5MEDIFAXより)