弱毒性想定の「新臨時接種」の法制化提言/厚労省部会  PDF

弱毒性想定の「新臨時接種」の法制化提言/厚労省部会

 厚生労働省の厚生科学審議会・感染症分科会予防接種部会(部会長=加藤達夫・国立成育医療センター総長)は2月19日、「新臨時接種(仮称)」の設置を柱とした予防接種制度の見直しに関する第1次提言をまとめた。今回の新型インフルエンザ(A/H1N1)のように、感染力は強いが病原性はさほど強くない感染症のまん延を予防するための措置。厚労省は今後、予防接種法の改正案を作成し、通常国会に提出する予定。

 接種率を高めるための公的関与については、接種対象者への「努力義務」(予防接種を受けるよう努める責務)を課さないことにした。行政は国民に対して「勧奨」(予防接種を受けるよう勧める)する。

 副反応事故が起きた場合の健康被害救済の給付水準は、補償額が高額の「臨時接種および1類定期接種」と、比較的低額の「2類定期接種」の間にするのが適当だとした。接種費用の負担については、経済的困窮者を除き、被接種者からの実費徴収が可能とした。

 提言にはこのほか、新型インフルエンザの発生によってワクチン供給量が世界的に不足した際、国がワクチンを買い上げやすくするため、企業のリスクを補償する契約を結べるようにすべきという指摘も盛り込まれた。

 ワクチン供給にかかわる国、製薬企業、卸、医療機関の役割や責任分担の在り方については議論が積み残しとなり、今後行う予防接種法の抜本改正論議の中であらためて検討する。(2/22MEDIFAXより)

ページの先頭へ