府あんしん医療制度研究会で最終報告

府あんしん医療制度研究会で最終報告

南丹医療圏北部は救急搬送30分以上の実態

 京都府は3月1日、今年度最後となる第8回あんしん医療制度研究会を開催した。今回の研究会では「最終報告案」が事務局である京都府から示され、概ね了承された。報告書は、近日中に公表される見通し。

 同研究会は、府が昨年1月に全国知事会に提案した「国民健康保険一元化」等の提案を受け、具体的な制度設計も含めた研究を行うもので、京都府国民健康保険団体連合会等と共同研究をしている。

 府の提案は、北部地域を中心とした医師不足問題への対応策として、都道府県への診療報酬決定権限委譲を要求する等、重大な問題点があり、協会は提案以来一貫して批判・提言を行ってきた。

 今回の最終報告にも、診療報酬決定権限委譲については、中間報告に続きふれられていない。

救急現場到着から医療機関搬送までの所要時間

 一方、報告では新たに救急医療の分析が行われ、京都府内の救急現場到着から医療機関搬送までの到着時間が、医療圏別に初めて示された(上図)。その結果、南丹医療圏の北部が所要時間中央値で30分〜43分となっており、今後、府がこうしたデータ分析をもとに、具体的な救急医療提供体制の構築策を検討することが求められる。

 あんしん医療医療研究会の検討の前提にある国保一元化提案や、レセプトデータを使用する手法には問題が多くとも、研究会で示された課題や分析の方向性には評価できる点があり、この点を今後、深めていくよう府に求めたい。

 ※救急に関する府のデータも含め、当日の資料は以下アドレスから閲覧できる。

  http://www.pref.kyoto.jp/iryokikaku/resources/1267517826597.pdf(救急は10ページ)

ページの先頭へ