年内にもメディカル・イノベーション構想/厚労など3省  PDF

年内にもメディカル・イノベーション構想/厚労など3省

 文部科学省と厚生労働省、経済産業省は9月10日、新たな医療技術の研究開発や実用化を促進する「メディカル・イノベーション」について、将来像を描いた構想の骨子を年内にも取りまとめることを決めた。メディカル・イノベーションを推進する意義やメリットを示すことで、公費投入への国民の理解を深めたい考えだ。

 政府が6月に閣議決定した「新成長戦略」では、国家戦略プロジェクトの1つに「医療の実用化促進のための医療機関の選定制度等」(メディカル・イノベーション)を掲げた。重点疾患ごとに研究費や人材を重点的に投入し、新医療の実用化を促進するほか、ドラッグ・ラグ、デバイス・ラグの解消を目的に、医療機関を選定して未承認薬や未承認機器を保険外併用療養で使用。2020年までに年間約7000億円の経済効果が期待されるとしている。

 3省は、メディカル・イノベーションを推進するため、政務レベルの会合を初めて開いた。会合には、文科省の鈴木寛副大臣と厚労省の足立信也政務官、経産省の近藤洋介政務官のほか、仙谷由人官房長官が出席した。鈴木副大臣は冒頭、「省庁の縦割りを超え、政治主導が強く求められる分野だ」と強調。仙谷官房長官も「日本には素晴らしい研究者やドクターがいるが、それが患者本位の方向や産業論として動いていかない」と指摘した。

 会合では3省が11年度予算の概算要求に盛り込んだ関連予算を報告。メディカル・イノベーションの必要性や実現による将来像を盛り込んだ構想の骨子を策定することを確認した。会合終了後、鈴木副大臣は記者団に対し「今までの予算はインプットを重視しており、それによって何が起こるのかという部分が弱かった。健康的、社会的、経済的なアウトカムを説明することで、税金投入に対する理解を得やすくなる」と話した。(9/13MEDIFAXより)

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