平井会長「前期高齢者にも公費投入を」/健保連定時総会
健保連の平井克彦会長は2月18日、定時総会で挨拶し、厚生労働省の高齢者医療制度改革の最終取りまとめ案について「およそ改革案とは呼べない。場当たり的な案」とあらためて批判した。その上で「65−74歳の前期高齢者の部分に公費が入っていないがゆえに、われわれ(健保組合)は大変な財政危機に陥っている」と述べ、前期高齢者の部分に消費税を財源とする公費を投入することが重要との考えを示した。
社会保障と税の一体改革の動きについて平井会長は「医療保険制度をはじめとする社会保障制度全般のグランドデザインの検討がまさに緒に就いたもの」と期待するとともに、超党派での協議を政治主導で推進する必要性を指摘した。
平井会長はまた、「今のような危機的な状況にあるからこそ、健保組合の原点に立ち、保険者機能を強化し、保健事業の効率化をしっかりとやっていきたい」と、保険者機能の強化の必要性をあらためて強調。各健保組合の保険者機能の強化や保健事業に対し、健保連として支援することを2011年度事業計画案として提案したと説明した。総会では、同事業計画案などすべての議案が承認された。
●大塚副大臣、公費投入に慎重姿勢
来賓として出席した厚労省の大塚耕平副大臣は、健保連や健保組合が保険者機能を発揮してわが国の医療保険制度を支えていると評価した。ただ、平井会長が訴えた「公費投入」については、国としての事業の継続性や、他の分野に投入する公的資金が失われる問題に触れた上で「全体として今後の国のありようを考えないと、健保連だけが今の所属する人たちの立場で発信・提案すると、次の世代には大変難しいメッセージを発することになる」と述べ、慎重な姿勢を示した。(2/21MEDIFAXより)