常識と工夫63/それぞれの事情―内部告発する者・される者  PDF

常識と工夫63

それぞれの事情―内部告発する者・される者

 悪意が認められる告発者については、本来問題外だと思いますが、医療機関側には「内部告発」対策も医療安全対策、もしくは個人情報保護の一環と認識していただきたいと思います。これは推測の域を出ませんが、(悪意ある)告発者は、その医療機関に対して極めて強い不信感を抱いている場合もあるのではないでしょうか。それが至極個人的な感情の場合は、その個人の問題として対処のしようもないことかもしれませんが、「この医療機関は医療事故や医事紛争が発生した場合に、対応が曖昧で不透明だ」と感じているとしたら、医療機関側にも従業員教育といった観点から、責任のあることかもしれません。ようは医療機関が従業員に対して、医療安全の姿勢を明確に伝えることです。もう少し具体的に言うと、医療機関内で発生したトラブルは、それを分析した後に全従業員にフィードバックして注意喚起することです。確かな情報を伝える姿勢こそが、従業員からも信頼をえることになろうかと思いますがいかがでしょうか。

 この時代に院内の重大なトラブルを、内外に対して隠し通すことは不可能に近いことだと想像できます。万が一にでも隠そうとすると、(それが正当であれ不当であれ)「内部告発」という思わぬ落とし穴が待っている場合も想定すべきでしょう。繰り返しますが、現在できる範囲で結構ですから、医療安全対策を実行して従業員に教育していくことこそが、不要な内部告発を予防することにもなりえると考えます。

 機会があるごとにご紹介していますが、京都府保険医協会では会員の要望に添った「医療安全研修会」を開催することが可能です。いわば各医療機関への勉強会の出前といったところでしょうか。是非、ご利用下さい。

 次回は、患者さんの「癇に障る」一言についてお話しします。

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