市立病院休止でリコール成立、市長失職/千葉・銚子の住民投票
千葉県銚子市の市立総合病院の休止問題を争点に、岡野俊昭市長のリコール(解職請求)の是非を問う住民投票は3月29日投票、即日開票の結果、賛成票が有効投票の過半数に達しリコールが成立、岡野市長は失職した。
リコールに賛成が2万958票、反対が約半分の1万1590票だった。
地域の公的医療の存続を望む住民の強い意思が示された形だ。全国の公立病院の7割は赤字経営に苦慮しており、各自治体に大きな影響を与えそうだ。投票率は56.2%。3 50日以内に出直し市長選が行われる。
岡野市長は2006年7月、病院存続を公約に掲げ初当選したが、国の臨床研修制度による派遣医師の引き揚げで医師が激減。病院は経営難に陥り、08年9月末に休止した。
ベッド数393を持つ地域の中核病院の休止決定に、市民の会がリコール運動を展開。09年2月、有権者の3分の1を超える約2万3000人分の署名を集め、リコールの本請求をした。
市民の会は「病院休止は計画性を欠き、6000人を超える”医療難民”を生み出した」などと主張。市長は「市の財政状況は厳しく、追加支援は不可能でやむを得ない決断。民営による再開を目指し、新たな受け入れ先の選定も進んでいる」と反論していた。【共同】(3/31MEDIFAXより)