市場原理主義で医療格差の拡大進む/日医総研WP
日医総研はこのほど、「市場原理主義が日本と日本の医療にもたらしたもの」をテーマにワーキングペーパー(WP)をまとめた。WPは、厚生労働省の「概算医療費データベース」に基づき、500床以上の大規模病院は2000年度から06年度までに医療費シェアを19.5%から20.2%に増加させたと指摘。一方、医療施設(動態)調査では、500床以上の病院は496施設から479施設に減少しているとして、特定の医療機関への資源の集中が現実のものになりつつあると強調した。
さらに、地方などで医療機関の閉鎖・縮小が相次いだことから、医療費が「勝ち組」となった大規模病院に集中しているとした上で、医療分野での「市場原理主義」に基づく施策が、大規模病院への資源の集中を招いたとの問題意識を表明。平均在院日数の大幅な短縮化や医療機能の集約化は、結果的に「医療難民」「介護難民」として苦しむ患者を増やすことになるとし、市場原理主義からの脱却を強く訴えた。(5/11MEDIFAXより)