市リハセン附属病院を廃止し名称も変更 こころ・児福センターとの合築が第2段階へ  PDF

市リハセン附属病院を廃止し名称も変更 こころ・児福センターとの合築が第2段階へ

 京都市は2015年3月31日、京都市身体障害者リハビリテーションセンター附属病院(以下、市リハセン附属病院)を廃止した。協会は、門川大作京都市長による市社会福祉審議会(森洋一会長)への諮問(12年)を契機に、スタッフ、当事者、関連団体とともに「京都のリハビリを考える会」を立ち上げ、市リハセン附属病院廃止阻止の取組を展開してきた。4月1日には、京都新聞が「地域リハビリ機能再編」とした見出しでこの問題を取り上げ、考える会のコメントを紹介した。また、協会は渡邉賢治副理事長の談話を発表した。

市リハセンが新施設に

 京都市保健福祉局は2月20日開会の市会定例会に「京都市身体障害者リハビリテーションセンター条例等の一部を改正する条例」を提出。名称を「京都市地域リハビリテーション推進センター」に改称し、病院機能廃止後の高次脳機能障害に特化した入所施設(新たにショートステイも実施)、地域リハビリテーション推進、相談事業の新たな展開を盛りこんだ。同条例案は3月の市会本会議で可決された。障害のある人たちへ直接リハビリテーションを提供する機能から、今後は「地域リハビリテーション」のための施設へ移行する。

市が狙う3施設合築

 この問題は、今や、京都市内の医療・福祉行政全体の在り方を大きく変える契機となりつつある。それが市の「公的3施設の合築」方針である。
 京都市は14年2月に「障害保健福祉施策の総合的な推進と児童福祉施策の充実・強化に向けた取組方向」として、「身体障害者リハビリテーションセンター、こころの健康増進センターおよび児童福祉センターの合築化による機能充実」の方針を市会で明らかにしていた。
 京都市による「合築」への行程は、第1段階で15年3月末に市リハセン附属病院を廃止、第2段階で15年4月に市リハセン工事に着手、終了後年度内にこころの健康増進センターを市リハセン内に移転。現在のこころの健康増進センターを除却、第3段階で16年から、3施設合築の整備取り組みを開始。すでに15年2月議会には先述の条例改正と同時に、「京都市こころの健康増進センター条例」も改正、同センターの住所地を現在の市リハセンの住所地に改めている。3施設合築に向けた行程も第2段階に入っている。

実行委員会を結成

 この動きを受け、協会は14年10月の「京都市3施設合築方針を考える実行委員会」結成に携わった。同会には協会の他、子どもたちの保育・療育をよくする会、きょうされん京都支部、京都の障害児者の生活と権利を守る連絡会等、関係・当事者が幅広く参加している。
 同会は、「はじめの一歩」企画として、京都市3施設の歴史・意義を共有するためのフォーラムを企画。2月8日に京都アスニーで開催した。3施設それぞれの関係者が、公的施設としての意義と役割、そして課題を報告し、参加者で共有した。
 市リハセンに理学療法士として従事する今井陽一氏は、附属病院廃止後の市リハセンが、相談機能拡充、高次脳機能障害の支援に取り組むことについて、「いずれも大切な仕事。でも、それは市リハセンを頼りにしていた人たちを切り捨てることが前提にある。どれほどいい計画でも、その裏に犠牲があることを忘れてはならない」と語った。
 児童福祉センターに勤務する津田明彦氏は、発達相談・児童相談の機能拡充も切実に求められている現状から、「全体的な視野を持ち、地域に応じて地域の良さを伸ばすこと。子どもの命と健康を守るセンターが必要」と訴えた。
 左京保健センターの保健師である井上淳美氏は、こころの健康増進センターが精神疾患や障害のある人たちにとって、様々な手続きの拠点機能であることを解説。3施設合築の正確な時期が不明であるにもかかわらず、10月には市リハセンへの移転が予定されることについて「なぜそんなに急ぐのか」と疑問を呈した。
 フロアからの発言では、「子どもたちの保育・療育をよくする会」の市原真理氏が、現状の児童福祉センターは「子ども」という枠組みの施設。合築方針は「障害」の枠組みで考えられている。親にとってハードルが高くないか。保護者・当事者の願いを出発点にした施設を考えていきたい、と語った。当日の模様は、協会HPで動画を配信中であり、ぜひご覧いただきたい。
 協会は引き続き、京都市の動向に注視し、評価・分析・提言を継続して行う。

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