左京医師会と懇談
1月12日 ホテルオークラ京都
社会保障堅持へ広範な議論を
左京医師会との懇談会を1月12日に開催、地区から21人、協会から7人が出席した。左京医師会の赤木太郎副会長の司会で開会、原山憲治会長は挨拶で「圧倒的多数で政権を奪回した安倍政権は、今の勢いでどんどん経済政策を進める一方、社会保障が忘れ去られるのではないかと危惧している。この懇談会は大変重要と考えているのでよろしくお願いしたい」と述べた。次いで協会の関理事長が挨拶。協会から(1)診療報酬改定後半年の変化、(2)社会保障制度改革推進法の問題点と開業医医療の役割、(3)韓米FTAに学ぶTPPの問題―について解説し、意見交換した。
協会からは2012年度診療報酬改定について、診療所は在宅医療に取り組むところのみ評価を上げ、地域医療の担い手として全体を評価する方向性は示されなかった。その背景は「社会保障と税の一体改革」であり、団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向けて、入院医療の再編と在宅医療の強化を主眼とする改定の第1弾であった。診療所関連の主な改定項目の4点(1)機能強化型が新設された在宅療養支援診療所、(2)時間外対応加算1・2・3の創設、(3)後発医薬品の使用を促す一般名処方加算の創設、(4)入院基本料の施設基準に管理栄養士の配置義務化―について、左京区をはじめ京都府内の届出状況や会員アンケート結果等を説明した。
地区からは、今後の医療運動について、現政権とどう対峙していくのか。関理事長の談話「第46回衆議院総選挙結果に関して」(本紙1月20日号掲載)はその通りと考える。一方、現状の社会保障の維持のために消費税増税という考えがあるが、最終的には国民負担を求めていくしかない。医療内容によっては自己負担率を上げるなどの措置を取らなければ、制度の維持は不可能ではないか。政権与党に対し、すべての政策に反対していては前進も実りもない、との意見が出された。
協会からは、現政権の日本経済を強くする政策は反対するものではない。すべて反対ではなく、是々非々でいきたいが、現在の自民党は、“医療崩壊”を招いた小泉政権時代に戻っているのではないか。経済財政諮問会議も再開されれば、財界の意向を汲んで社会保障を抑制するだろう。国民負担については議論が必要と考える。しかし我々はあくまで社会保障の充実を追求していきたいと述べた。
また、協会からの提供資料について、現在もスリム化に努めているが、協会の活動を知っていただくためにも、今後も工夫を重ねて会員に目を通していただけるよう尽力したいと応えた。