左京医師会と懇談  PDF

左京医師会と懇談

1月8日 ウェスティン都ホテル京都

2025年構想の医師役割に懸念

 協会は1月8日、左京医師会との懇談会を開催した。地区から18人、協会から7人が出席し、左京医師会・北堅吉理事の司会で進められた。児嶋久剛地区会長は、「昨年の地区懇は政権交代直後で、日本の医療がどれだけ変わるのか期待と高揚感が強かった。今はその高揚感も消え失せ、閉塞感のみである。この時期こそ我々医療界から提言をしていくよい機会だ。診療報酬や地域包括ケア問題など、活発に意見交換したい」と挨拶。続いて関理事長の挨拶、協会から情報提供の後、意見交換を行った。

 国が構想する「地域包括ケアシステム」については、2025年における在宅医療で看護職員・介護職員の役割を増やし、医師の役割が「定期的な訪問診療」から「在宅医療開始時の指導」へと書き換えられていることへの懸念が示された。これについては、「病院の医師が疲弊する中で、看護師・PTなどに協力を求めるチーム医療構想を歓迎するムードがある。地域包括ケアもこの流れで考えられているのだろうが、実際に関わる診療所の医師の本音が出ていないように思う」「緩やかな権限移譲も考えられるが、ポイントのところでは医師が関与すべき。ここまで書かれると、このまま流れてしまいかねない。財政ありきではとんでもないことになる」との意見が相次ぎ、「医師の判断・権限に付けられている診療報酬を守り、失わないように努めることは大事なこと」との意見があった。また、「医師・看護師は急性期医療に重点的に配備するとあるが、中間層の一般急性期病院がほぼ崩壊状態で、十数年で回復するとは到底思えない。協会には、この視点を強く訴えてほしい」「国がお金をかけずシステムを作る際に、自助・共助を前面に出すのは、医師の関わりを減らしていく気持ちの表れだ。医師会や協会の努力で何とか踏み止まってきたが、これからも頑張ってほしい」との要望があった。

 地区から出された「府医との活動の違い(今後の協会の進む方向性)について」のテーマに対しては、関理事長より「協会は任意団体というフリーな立場で、行政に対して、保険医の意見を直接ぶつけていこうと行動している。『社会保障の確立と保険医の権益擁護』という原点に戻り、保険医の代弁者であり続けたい。今後も国や行政にしっかりとした医療政策提言を行い、日常診療においては、世話役活動を続け、保険医の健全な医業経営に資していきたい」と述べた。

 また今回、地区の要望を受け、事前に懇談会資料をホームページに掲載したところ、地区より「時間の制約なく予め意見や質問を考えられた。こういうかたちでのIT化、ペーパーレス化を進めてほしい」との意見が出された。協会からは、遠隔地でテレビ会議を実施していること等も紹介し、技術的に可能なことから検討を進めていきたいと伝えた。

25人が出席して開かれた左京医師会との懇談会
25人が出席して開かれた左京医師会との懇談会

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