山科医師会と懇談  PDF

山科医師会と懇談

2月21日 山科医師会診療センター

生活保護問題など弱者切り捨て政策を危惧

 協会は2月21日、山科医師会との懇談会を開催した。地区から5人、協会から6人が出席し、山科医師会の紀田貢副会長の司会で開会。冒頭、山科医師会の片岡正人会長が「安倍新政権になり、円安・株高になってきた一方で、医療界においては、生活保護の問題など弱者切り捨ての政策がすすめられており、大変危惧している。今回はTPPや社会保障制度改革推進法のテーマで、協会に教えていただくとともに、活発に議論をしていきたい」と挨拶。続いて協会の関理事長が挨拶を行った。各部会の担当理事から各部会の報告を行った後、意見交換に移った。

 意見交換の中で、生活保護費の生活扶助費基準額引き下げ問題が話題となった。地区より「生活扶助費基準額引き下げとともに、生活保護が受給できないぎりぎりの所得層も本当に厳しく、貧困層は増加していく」「基準額引き下げと連動して、母子家庭の就学援助についても引き下げられる可能性が高く、懸念している」などの意見が出された。

 また、在宅医療、家族介護が話題となり「医療費抑制政策の中、ターミナルケアや看取りについては、開業医が在宅医療で頑張れということか」との意見が出された。

 これに対して、協会は「看取りの場所に関してはケースバイケースで、患者が一番望む方法がとれるようにすべきだ。在宅でのターミナルケア一辺倒ではなく、病院で安らかに死を迎える選択肢もあるべきだと思う。厚労省は、看取りについて自宅を希望している国民が6割に達するとしているが、介護は家族の支えが不可欠で、支えがあっても大変なケースが多い。ましてや老々や独居の状態で介護ができるのか。孤独死も増えてくると懸念する。こうした実態を踏まえて医療制度を構築していくことが大事だ」と述べた。

 また、総合診療医についても、「医師免許以外に総合診療医の資格を取得していなければ、診療ができなくなることにならないか心配だ」との意見に対し、協会は「次々回の改定での実現に向けて議論が進められており、注視していきたい」と述べた。

 さらに、消費税損税問題についても話題となり「ゼロ税率を実現すべきだ」との意見が出された他、「病院は設備投資が大きいため、増税によって一層厳しくなる」「診療報酬の上乗せ分を患者はあまり知らないのでは」などの声が挙がった。

 懇談会は、その他TPP問題などにも触れ、多岐に亘る話題をもって、閉会した。

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