小宮山厚労相、一体改革と震災対応に注力/就任会見で抱負  PDF

小宮山厚労相、一体改革と震災対応に注力/就任会見で抱負

 野田内閣は9月2日、正式に発足し、菅内閣で厚生労働副大臣を務めた小宮山洋子氏(62)が厚生労働大臣に就任した。厚生労働省によると女性の厚労相は初めて。旧厚生省時代から数えても2人目で、約50年ぶりとなる。

 小宮山厚労相は9月2日夜、首相官邸と厚労省内で就任会見し、厚労行政をかじ取りしていく上での抱負を述べた。小宮山厚労相は▽被災者の生活支援と医療福祉・就労支援▽社会保障・税一体改革の具体化▽雇用対策─の3点に力を入れる考えを示した。

 社会保障制度改革については「従来から言われている『医療・年金・介護』の社会保障3経費に『子育て支援』も加えた4本柱に改めたのが特徴だ」と指摘。さらに「医療や介護、子育てなどは機械には任せられず、必ず人の手が必要になる。雇用を生み出すこともできる」と述べ、成長戦略にも寄与するとの見方を示した。

 記者団から「国民は今後も、今までと同じような医療サービスが受けられるのか、不安に思っているが」と質問されると、小宮山厚労相は「自公政権下で毎年2200億円ずつ予算圧縮してきた中で、医療難民が生まれた。しかし現政権では、社会保障の自然増分は予算確保している。従来のサービスは受けられるのが前提だ」と応じた。

 その上で「効率化しなければならない部分もあるが、超少子高齢化社会の中で、国民が安心して生活できるようにするのは当然のこと。医療についても医師の偏在問題などを含めて、どのように改善していくか。未来図を描かないと国民は安心できないのでしっかりつくっていきたい」と抱負を語った。 また、「政府予算の51%を厚労省が国民の生活のために使っているということを、より丁寧に情報発信していかなければならない」とも述べた。

 診療報酬・介護報酬同時改定を実施するかどうかについては「(見送り論も出ているが)一部の方々の意見に偏らないよう、国民にも納得してもらえるよう、6年に1度の機会なのでしっかりやっていきたい」と述べた。(9/2MEDIFAXより)

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