小学6年時の肥満でメタボ発症/労災病院勤労者予防医療センター調査

小学6年時の肥満でメタボ発症
/労災病院勤労者予防医療センター調査

 全国9つの労災病院勤労者予防医療センターは「小学校6年時の肥満が成人女性のメタボリックシンドローム発症のリスクを高めている」とする調査結果をまとめた。労災病院を運営する労働者健康福祉機構が7月24日に公表した。

 調査に当たったのは北海道、東北、東京、関東、中部、大阪、関西、中国、九州の各労災病院勤労者予防医療センター。調査はメタボ発症の背景要因を検証する目的で、患者400人を対象に、(1)食行動と食事の嗜好、(2)幼少時の食習慣・運動習慣、(3)不規則勤務(夜勤・シフト勤務) の有無―などを調べた。比較対照として年齢と性を一致させた健常者399人についても同様に調べた。

 調査結果の分析から、男女とも「食事は大食」「ストレスで食べ過ぎる」と回答した人はメタボ発症リスクが高いことが分かった。「小学校6年時に肥満」と回答した人のメタボ発症のリスクは男性で2.8倍、女性で10.1倍となり、特に女性のリスクが高かった。

 男女とも「小学校の時、決まったスポーツをしていた」と回答した人の発症リスクが高く、男性では「体育が好きだった」と回答した人のリスクが高いことも判明した。

 一方、夜勤の頻度やシフト勤務の有無はメタボ発症のリスクに健常者との差異は見いだせなかった。

 調査を行った研究チームは「学童期のカロリー摂取、つまり学童期の食習慣がメタボ発症と強い相関を示している。子どもは活発に活動しているからたくさん食べてもよいだろうという考え方は改めるべき」と指摘。さらに今後「特定保健指導や学童への食育現場で食習慣の見直しを提言していきたい」としている。(7/25MEDIFAXより)

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