小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)にきく/原子力発電の本当のところ

小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)にきく/原子力発電の本当のところ

原子力発電講演会で講演する小出裕章氏

 医科と歯科の保険医協会は4月19日、原子力発電講演会をハートピア京都で開催。会場には112人の会員や府民が集い、京都大原子炉実験所の小出裕章助教の講演をきいた。

 小出氏は、原子力についての偽りの宣伝と誤解があるとし、それらの“本当のところ”を解説。まず、化石燃料が枯渇するから未来は原子力だと言われ続けた宣伝は、全くの誤り。石炭を使い切るには1000年かかるが、ウランは石炭の数十分の1しかない。また、原子力がないと停電する、ということもない。

 地球温暖化対策として「原子力は二酸化炭素を出さず、環境にやさしい」と国や電力会社が宣伝していることについても、ウラン採掘、製錬、濃縮等の過程で膨大な二酸化炭素を生み出す原子力こそ最大の放出源と批判した。(本紙2685・2686合併号に寄稿掲載)。

 原子炉運転に伴って生じる「低レベル放射性廃物」は青森県六ヶ所村に埋めて、安全になるまでの300年間管理すると国は言っている。現在から300年前といえば忠臣蔵討ち入りの時代、それだけの長い期間を一体誰の責任で管理するというのか? ましてや「高レベル放射性廃物」の安全は科学的に保証できるものではない。

 何が真実かを見極める目を持つことが何よりも求められている。その上で、日本を含め先進国に求められていることはエネルギー浪費型の社会を改めることであると論じた。

 当日のもようは、京都、毎日の2紙が詳しく報じた。

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