小児科認定医の常勤施設は42%/救急医学会、全国の救命センター調査
重症患者らを24時間体制で受け入れる全国の救命救急センターを対象に、日本救急医学会の小児救急特別委員会が2007年実施した調査で、回答した138施設のうち、日本小児科学会が「専門医」として認定した小児科医が常勤しているのは42%と半数以下にとどまることが分かった。小児科医確保の難しさなどを背景に小児診療を実施していないところも13%あり、患者の受け入れ拒否が問題になっている産科と同様、医師不足の影響もうかがわれた。
救命救急センターは一般病院では対応が難しい重症患者の「救命のとりで」と位置付けられており、特別委は同センターの小児救急の質について「さらなる向上が必要」としている。
調査は07年9−11月にかけ、全国の救命救急センター202施設(同8月時点) を対象に実施。回答した138施設のうち、一定以上の診療能力があるとして小児科学会から認定された小児科医が常勤しているのは、58施設にとどまった。
全体の87%が小児の救急診療を担っていたが、認定医以外も含めて常駐の小児科医が重症児に対応できるとしたのは67%。小児患者が優先的に使用できる集中治療室(ICU) があるとしたのは20%だった。
小児の救急患者は不慮の事故による外傷、家庭内での誤嚥などのほか、ウイルスや細菌感染によるけいれん、脳症など中枢神経系の病気が多いとされる。本人が症状を正確に伝えることが難しく、軽症に見えても容体が急変することもあり、経験豊富な認定医による診療が望ましいという。【共同】(11/5MEDIFAXより)