小児医療提供機能が外れる/DPC分科会、医療機関群設定で  PDF

小児医療提供機能が外れる/DPC分科会、医療機関群設定で

 中医協のDPC評価分科会(分科会長=小山信彌・東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)は7月6日、基礎係数の医療機関群設定に向けて議論を進めた。すでに大学病院本院は1つのグループにすることが決まっており、それ以外の医療機関群候補として▽医師研修機能▽小児医療提供機能▽他病棟との連携機能─の3群を優先的に検討した。厚生労働省は具体的な分析結果と論点を提示。小児医療提供機能については1つのグループにするのは不適切とし、分科会も了承した。

 厚労省がDPC算定病床数全体に占める小児入院医療管理料1−3の比率を試算したところ、小児医療を専門的に提供している医療機関は6病院しかないことが分かった。それ以外の医療機関では、成人を想定した医療提供体制の中に小児医療提供体制を組み込んでいる状況が浮かび上がった。このため小児医療提供機能は医療機関群の設定から外れた。厚労省は同分科会で、小児入院医療管理料の評価の在り方を別途検討する方針。

 医師研修機能に着目した医療機関群の設定については、厚労省が「卒後5年間の医師研修を研修機能の評価指標としてはどうか」「大学病院ではなくても同程度の研修機能を持つ医療機関が想定される。何らかの配慮をすべきではないか」などの論点を提示した。これに対して小山分科会長らが「医師派遣機能を見れば大学病院に近いかどうかを評価できるのではないか」と指摘した。

 また、医師研修機能については、基幹型病院でも勤務する医師数の多様性は大きく、臨床研修指定病院の指定だけで評価するのが難しいことから、厚労省はDPC算定病床1床当たりの医師数(医師密度)を試算。医師密度が高い施設で1日当たりの平均点数が高くなる傾向が見られた。

 このため美原盤委員(脳血管研究所付属美原記念病院長)は「同じ診断群分類にもかかわらず、なぜ医師密度が高い病院は点数が高くなるのか」と問題提起。厚労省保険局医療課の迫井正深企画官は「同じ診断群分類でも重症度は全く同じではない」と応じた。医師研修機能や、医師密度と点数の関係は引き続き議論する。

 他病棟との連携機能については、厚労省が▽亜急性期病床▽回復期病床▽療養病床─のいずれかを併設している病院と、併設がない病院に分けて検証したところ、ケアミックス病院の中で亜急性期病棟の1日当たり平均点数が低い傾向があった。このため亜急性期入院医療管理料を中心に、今後の在り方を検討することにした。(7/7MEDIFAXより)

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