小児がんPET検査を先進医療に承認/専門家会議  PDF

小児がんPET検査を先進医療に承認/専門家会議

 厚生労働省の先進医療専門家会議(座長=猿田享男・慶応大名誉教授)は9月10日、7月に申請のあった3技術のうち、小児期悪性腫瘍(神経芽腫、軟部肉腫、胚細胞性腫瘍、腎芽腫に限る)に対するFDG−PET検査を先進医療として承認した。

 ブドウ糖の誘導体を放射性同位元素でラベルした18−FDGを患者に経静脈的に投与し、一定時間後にPETカメラで全身を撮影する技術で、糖代謝が活発な腫瘍細胞は正常組織より多くの18−FDGを取り込むため、活動性のある腫瘍性病変を検出することができる。治療前後に実施することで、正確な治療効果判定や微小病変の検出が可能になる。ほかの2技術は書類不備のため返戻となった。

 このほか、薬事法上未承認の医薬品を使う技術で保険との併用が認められていた「第3項先進医療」(高度医療)のうち、術前触診と画像診断で腋窩リンパ節転移が認められなかった乳がんに対して、放射性同位元素と色素を使って行う「腋窩リンパ節郭清術前のセンチネルリンパ節同定および生検」など4技術について、使用する医薬品が薬事法承認予定となったことに伴い、承認済み医薬品を使う技術で保険併用を認める「第2項先進医療」(従来の先進医療)に移行することを了承した。4技術は次期診療報酬改定時に保険導入するかどうかの検討対象にもなる。

 また、この日は、次期改定時に保険導入すべきかどうかを決める1次評価で用いる「評価票」の内容も大筋で合意した。前回改定時と同様の内容で▽有効性▽安全性▽技術的成熟度―など8項目の個別評価をした上で、(1)優先的に保険導入が妥当(2)保険導入が妥当(3)現状どおり先進医療が適当(4)先進医療から取り消すことが適当―の総合評価をする。事前評価に参加する構成員3人全員が(1)または(2)と判断した技術は、先進医療専門家会議で保険導入の妥当性を検討する。(9/11MEDIFAXより)

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