宿直明けに倒れた24歳看護師、過労死認定/労基署、残業月100時間  PDF

宿直明けに倒れた24歳看護師、過労死認定/労基署、残業月100時間

 東京都済生会中央病院(東京都港区) で2007年5月、宿直明けに意識不明になり、死亡した看護師高橋愛依さん(当時24) について、三田労働基準監督署(同区) が過労死として労災認定していたことが分かった。認定は10月9日付。

 代理人の川人博弁護士によると高橋さんは06年4月から同病院に勤務。07年5月28日午前7時30分ごろ、手術室の中でストレッチャーに突っ伏しているのを同僚が発見。同日夕、死亡した。持病はなく、死因は致死性不整脈とみられるという。

 高橋さんが働く手術室はもともと26人態勢だが、07年3月末には18人になった。新人が補充されたが人員不足の状態は続き、高橋さんは4月から5月にかけ、25時間拘束の宿直勤務を8回こなしたほか、土日に働くこともあり、残業は月約100時間だった。

 4月中旬には、10日間に3回宿直があり、3回目の明けの勤務中に倒れ、翌日午前から勤務したこともあった。病院の就業記録では、残業は4月は33時間、5月は15時間だった。

 発症前2−6カ月間の時間外労働が、月80時間以上だと過労死の危険があるとされる。同労基署は「残業時間は基準より少ないが、不規則勤務や緊急手術などの過重性を総合的に判断し、認定した」と説明したという。

 高橋さんは日記に「忙しい」「もう無理」と書き残していた。父親は「娘の労災認定により、あるべき労働環境への改善に近づくとともに、認定の在り方も少しずつ変わっていくと信じています」とコメントした。

 病院側は「労災認定は真摯に受け止めている。看護師の勤務が過重にならないように態勢を検討している」としている。(10/20MEDIFAXより)

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