定額負担「断固としてつぶす」/臨床内科医学会で安達氏  PDF

定額負担「断固としてつぶす」/臨床内科医学会で安達氏

 中医協委員の安達秀樹氏(京都府医師会副会長)は9月19日、札幌市で開かれた日本臨床内科医学会のシンポジウムで、社会保障と税の一体改革成案(一体改革成案)に挙げられている受診時定額負担について、実質的な軽医療免責制度であり、外来受診者だけが負担を負うことになるとの認識を提示。「断固としてつぶさなくてはいけない」と述べ、関係団体と協調しながら導入反対に向けた主張を展開する考えをあらためて示した。

 安達氏は、受診時定額負担について「(高額療養費制度の負担上限の)追加引き下げは必要だが、その引き下げ分を一般の外来受診者だけが負担しなければならないという根拠は何も説明されていない」と与党などの対応を批判。受診抑制による財政効果の試算に“長瀬効果”が使われているとし、受診抑制がどれだけ続くかの予測が盛られていないと問題視した。

 100円程度とされている負担額についても「その割合は、従来の一部自己負担から見れば経済的には完全な逆進性。いったんこの制度を導入すれば100円では済まない危険性があり、皆保険そのものの仕組みを崩しかねない」との認識を強調した。

 日本医師会の中川俊男副会長は、一体改革成案が閣議報告事項にすぎない点を強調。その上で、受診時定額負担について「将来にわたり給付は100分の70を維持する」としている健康保険法付則に抵触すると指摘。受診時に自己負担を求める際、外来患者に説明がつかない点も挙げ「患者に新たな負担を求めるのでなく、公費、保険料で手当てするべき」との考えをあらためて示した。

 日本臨床内科医会の清水惠一郎常任理事は、同医会でも定時代議員会で反対決議を採択したことを報告。日医など関係団体とも協調して導入反対の運動を展開することを明言した。(9/21MEDIFAXより)

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