子どもの無保険問題 京都市に正規の証発行を要請
市は中学生以下に短期証発行へ
保険医協会は11月10日、厚生労働省が先だって公表した各都道府県における「資格証明書の発行に関する調査」の結果を受け、「子どものいる世帯に対し一般世帯と同じ保険証の発行を求める緊急要請書」を京都市長宛に提出した。要請は垣田副理事長が行い、京都市側は志摩保険年金課指導係長が対応した。
京都市担当者に申し入れをする垣田副理事長(右)
要請書では、京都市が今調査で明らかになった、資格証明書交付世帯に属する中学生以下の子どもたち105人に対し、11月中に1年間を期限とする短期保険証を交付する方針を示していることについて、評価の意思を示す一方で、これは「子どもたちだけに限定した交付」であり、「短期保険証の交付」であることから「不十分」と指摘。
審査会の設置も求める
その上で、次の2点について要望。(1)資格証発行世帯に属する子どもに限定した個別の保険証交付ではなく、その所属世帯に対して交付すること。また、短期保険証ではなく、一般世帯と同じ保険証を発行すること。(2)故意に保険料を支払わない者などいわゆる「悪質滞納者」への対応を行うことが必要と判断されるならば、外部委員も含めた「資格証明書交付審査会」等を設置し、資格証明書交付の判断を厳格化すること。
要請にあたり、垣田副理事長は「家族全員の医療が保障されてこそ、子どもたちを守ることができる。ぜひ、この要望に理解を」と強く求めた。志摩係長は、課内で対応を検討中であるとした。
協会は、京都市以外の市町村に対しても同様の申し入れを行う。
【京都保険医新聞第2665号_2008年11月17日_1面】