子どもの心の診療、初診60分も「不十分」/厚労省研究班が調査
子どもの心の診療を行う専門医療機関では、初診患者の診察に60分かけている一方、3割以上の医師が「不十分」と感じていることが10月6日、厚生労働省研究班(主任研究者=奥山眞紀子・国立成育医療センターこころの診療部長)の調査で分かった。不必要に高度な専門機関を受診していると考えられる症例を経験した医師も約3割おり、奥山氏は「連携の強化により、専門病院にかかる負担を軽減する取り組みが必要だ」と指摘している。
同日開かれた厚労省の「子どもの心の診療拠点病院の整備に関する有識者会議」(座長=柳澤正義・日本子ども家庭総合研究所長)で、奥山氏が報告した。
全国19の専門医療機関の医師を対象にインターネットを通じて行った調査(回答数40人)によると、初診患者の診察時間の中央値は60分だった一方、35%の医師が「それでも不十分」と回答。初診患者の待機期間は中央値で8週間かかっていたほか、不必要に高度な専門機関を受診していると考えられる症例を経験した医師も28%いた。(10/7MEDIFAXより)