妊産婦死亡、10年は9カ月で30例/日産婦医会、09年は19例  PDF

妊産婦死亡、10年は9カ月で30例/日産婦医会、09年は19例

 日本産婦人科医会(日産婦医会)は10月13日の記者懇親会で、偶発事例報告事業で分かった2009年の妊産婦の死亡件数は19件で、10年に入ってからは9月までに30件の死亡報告があったことを明らかにした。

 日産婦医会は、会員施設を対象に04年から妊産婦死亡や満期新生児死亡、新生児脳性麻痺といった偶発事例を収集している。09年報告では分娩総数ベースで全国の7割の分娩を扱う5784施設からの報告を集計した。4389施設から625件の報告があり、うち195件について事例報告書の提出があった。

 195件の事例では、妊娠・分娩に関する事例が78.5%、婦人科診療20.5%、不妊症診療1.0%だった。妊産婦死亡19件の原因疾患は、肺塞栓症5例、出血4例、劇症型A群連鎖球菌感染症3例などだった。

 ただ、事業で集計できた妊産婦死亡件数は全体の50%程度に過ぎない。日産婦医会では、詳細な原因分析で再発防止を図るため、10年から妊産婦死亡登録制度を開始している。記者懇親会では10年1−9月の9カ月間の途中経過を示し、30件の妊産婦死亡があったことを明らかにした。このペースで推移すると年間約40件で09年の倍となる。関沢明彦幹事は、報告施設に大病院が加わったことや、報告率が向上していることを理由に挙げた。(10/14MEDIFAXより)

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