大阪府医、受診時負担「阻止すべき」/一体改革で日医に意見書  PDF

大阪府医、受診時負担「阻止すべき」/一体改革で日医に意見書

 政府・与党の「社会保障・税一体改革成案」について、大阪府医師会(伯井俊明会長)は7月29日付で日本医師会の原中勝征会長に意見書を提出した。「受診時定額負担」に対し「断固阻止すべき」との姿勢を打ち出し、引き続き日医が問題解決に向け注力するよう要請。伯井氏は取材に「“健康弱者による弱者の救済”はとんでもないことで、社会保障の理念に反する」と述べ、全国の医師会が一体となって成案に立ち向かう必要があるとの考えを示した。

 意見書では、一連の日医の対応について、改革案にいち早く見解を発表するなどしたことを評価。日医として対応の検討を続けていくよう求めた。

 受診時定額負担については、高額医療の患者負担軽減に必要な財源を健康弱者だけに強いる方法で、国民の相互扶助の精神に基づく社会保障の理念から大きく逸脱するものと問題視。「(高額療養費制度の)制度上の不備を見直す財源は、あくまでも公費や保険料に求めるべき」と指摘した。

 さらに、意見書には保険免責制度導入のための試金石になると明記し、国民皆保険制度の根幹を揺るがす受診時定額負担は断固阻止すべきと訴えた。伯井氏は仮に当初の負担が低額であっても、安易に引き上げられる可能性があるとの見方を示し、導入への懸念をあらわにした。

●共通番号制「医療費抑制が目的」
 意見書では、社会保障と税の共通番号制度に関して、個人情報の漏出や目的外利用の恐れもあると言及。将来的に医療費や介護費の抑制に使用する目的は明らかであるとし、導入反対を明確にした。

 消費税増税については、引き上げによる財源がすべて医療や介護を含めた社会保障の充実に充てられるとは到底考えられないと意見書に記載した。伯井氏は、増税ありきで議論を進め、国民を納得させるために目的税化を掲げているとし、国の姿勢を批判。「日医には増税の内訳をしっかり精査してほしい」と期待を寄せた。(8/2MEDIFAXより)

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