大阪でも訴訟へ 23日に提訴 原告団結成総会開く
オンライン請求義務化撤回
大阪で開かれた原告団結成総会
レセプトオンライン請求の完全義務化の撤回、義務化を定めた「厚生労働省令第111号の無効」を求める訴訟を、大阪でも起こすこととなった。原告団は大阪府保険医協会・大阪府歯科保険医協会を中心に結成し、現在、原告団への参加を広く募っている。大阪地方裁判所への提訴は4月23日を予定。提訴に先駆け、4月11日に原告団の結成総会が開催された。総会には85人が参加、訴訟への強い決意を表す発言が相次いだ。
大阪訴訟は、基本的に1月に提訴した神奈川訴訟と同様の趣旨で行われる。(1)医師・歯科医師の保険診療を行う権利侵害、(2)患者のプライバシー権侵害及び医師・歯科医師の人格権侵害、(3)法律による行政の原理違反―の3点の違憲・違法性を問う。また大阪訴訟独自の項として、「医師・歯科医師の医療行為を行う権利の意義と性質」を挙げている。
1、医師・歯科医師の医療行為の公共性
医師法及び歯科医師法に定められた医療行為を行う権利は、医師・歯科医師自らの業務(営業)という側面(憲法22条)に加え、国民の生存権(憲法25条)にも深く関連する。また、その業務遂行過程において患者のプライバシー権(憲法13条)にも密接に関連する。よって、医師・歯科医師の権利は、高い公共性を持つ人格的権利といえる。
2、保険診療行為を行う権利に加えられる規制の適合性判断基準
規制(診療報酬請求をオンラインのみで行うべきとする義務化)の目的自体が、憲法その他の法令に即して是認され得るものであるのか、立法事実に即した高度の必要性が現実に存在するか否かが審査されるべきである。
総会には、神奈川訴訟弁護団事務局長の小賀坂徹弁護士も出席。神奈川訴訟では、オンライン請求義務化の問題は、オンライン請求に対応できない人のみならず全ての医師の問題であると考え、大規模な原告団を結成し、マスコミや世論等へ訴えている。この問題をどれだけ世論化できるかが重要なカギとなる。全国各地でオンライン請求義務化の問題に係る訴訟や、集会が開催され、議論が行われることが望ましい。裁判の前から闘いはすでに正念場を迎えていると言ってよい。裁判を契機に問題を訴えて、世論に働きかける。大阪訴訟はさらに大きな力となる。神奈川訴訟と大阪訴訟がともに手を携えて頑張っていきたい、との発言があった。
大阪訴訟は5月末まで原告団を募集。オンライン請求義務化が持つさまざまな問題点に不満や危機感を持つ保険医であれば誰でも参加できる。お問い合わせは、保険医協会事務局までご連絡いただきたい。