大臣のガバナンス強化に意欲/舛添厚労相、在り方懇の最終報告で
厚生労働行政の在り方に関する懇談会は3月30日、最終報告を取りまとめた。厚労省の組織の在り方として、意思決定から運営・管理までを適切に行うシステム(ガバナンス)の強化などをうたっている。会合に出席した舛添要一厚労相は「大臣のガバナンス強化は、ぜひ制度として実現させたい」と意欲を示した。
報告書は2008年12月に公表した中間報告後、検討課題となっていた行政組織・体制の在り方に関する提言を追加した内容となっている。基本的視点としてガバナンス機能の強化のほか、(1)現下の新しい政策課題に取り組むことができるようにする体制(2)既存組織の活用などによる組織の肥大化の防止(3)政府全体としての効率化の一層の推進と各府省への配分の見直しなど―を据えた。具体的な提言として、大臣が主宰する「政策推進会議」の設置や補佐スタッフの充実、政策統括官組織の強化、プロジェクトチームや対策本部の活用などを挙げている。
医療・介護関連では、医政、保険、老健の3局が統一された方針の下に政策を立案・実施する組織体制の必要性を指摘。12年の診療報酬・介護報酬同時改定を見据え、速やかに体制整備を図るよう提言している。また、医療職種に着目して編成されている現在の組織について「利用者(患者)の立場に立った行政を進めるという視点から、資格の管理だけでなく、その資格が行うサービスの向上について正面から取り組む体制とすべき」としている。
持続可能な社会保障構築と安定財源確保に向けた「中期プログラム」の取りまとめを受け、「給付と負担の適切な関係を前提とした安定財源の確保、区分経理を前提とした予算・決算の仕組みの検討」などに早急に取り組むべきだとした。
厚労省は、行政運営に関する提言をまとめた中間報告を受けて、改革の工程表を公表し具体化に取り組んでいる。今後は最終報告に盛られた内容を工程表に落とし込むとしている。(3/31MEDIFAXより)