大塚厚労副大臣、国民負担を問題視/社保審総会
厚生労働省の大塚耕平副大臣は2月10日、省内で開いた社会保障審議会総会に資料を提出し、社会保障サービスの充実には財政赤字が制約になるとして、国民負担の在り方に問題意識を示した。大塚副大臣の問題提起を受け、吉川洋委員(東京大大学院経済学研究科長)も「日本の国民は(諸外国と比べて)負担していない」とし、社会保障制度の機能強化に向けて、国民の負担増を伴う大胆な見直しが必要との考えを示した。
大塚副大臣は「給付を充実させて社会保障を強化するには、国民負担も(給付に)並行して推移させるのが一般的だ」と述べ、GDP比から見た財政赤字の推移を示した上で、国民負担の在り方について審議会で協議するよう求めた。
●「生活保護基準部会」設置へ
この日の総会では新しい会長を選任し、大森彌・東京大名誉教授が就任した。遠藤久夫・学習院大経済学部教授、駒村康平・慶応大経済学部教授、吉川洋氏らが新たな委員として就任した。
厚労省が提案した「生活保護基準部会」の設置も了承した。同部会は生活保護の基準を、5年に1度実施している全国消費実態調査のデータに基づいて専門的・客観的に評価・検証する。(2/14MEDIFAXより)