外来管理加算、各側一歩も退かず/中医協総会
厚生労働省は10月12日の中医協総会(会長=森田朗・東京大大学院教授)に、2009年と10年の再診料と外来管理加算の算定件数が病院、診療所ともに減少しているデータ(社会医療診療行為別調査)を提示した。診療側の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は「10年度改定論議では、5分ルールを撤廃するなどの要件見直しで、外来管理加算の算定件数は増えないと強く主張したにもかかわらず、ある程度増えるということで、再診料の71点から69点への引き下げを受け入れざるを得なかった」とし、「(今回のデータから)外来管理加算、再診料が減少している事実は重大なことと受け止めさせてもらう」と語気を強め、次期改定では厳しく対応していく姿勢を示した。
厚労省が社会医療診療行為別調査を基に整理した資料によると、診療所の再診料の算定件数は09年の月間6348万回から、10年は月間6134万回に減少。診療所の外来管理加算は09年の月間2778万回から月間2777万回に微減した。一方、01年当時は、診療所の再診料が月間7700万回、診療所の外来管理加算は月間6500万回だった。
●外来管理加算「意味明確でないなら統合を」/白川委員
支払い側の白川修二委員(健保連専務理事)は、外来管理加算の算定について「00年、01年当時、第2再診料といわれた時代に比べ、09年からは本来の算定の在り方になっている」とし、外来管理加算算定回数の減少傾向は妥当なものと評価した。その上で「患者の視点から、外来管理加算の意味付けが分からない。月間算定回数が2800万回となっていることを見ても診療所の大きな収入源であり、取り扱いは慎重にすべきだが、意味付けが明確にならないならば、いずれかの項目に統合することも(次期改定で)検討していくべきだ」との考えを示した。
●地域医療貢献加算、グループ単位の仕組み必要
一方、「地域医療貢献加算」については、厚労省がデータを基に、地域医療貢献加算の創設以降、病院での休日、夜間の問い合わせや受診の変化について限定的だが一定の効果が見込まれたと説明。これを受け支払い側の白川委員、伊藤文郎委員(愛知県津島市長)らも、地域医療貢献加算の導入には一定の効果が認められると同意した。白川委員は、厚労省の都道府県別の地域医療貢献加算の届け出データから、トップの石川県が50%を超えているのに対して、低い県では10%足らずと大きなばらつきがあることを重視。適正な啓発を求めた。伊藤委員も地域全体で医療を支えるため、有限の資源の中から地域医療貢献加算を算定してもらいたいと述べた。
これに対して安達委員、鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は、地域医療貢献加算の算定方式について、診療所単位の算定ではなくグループ単位での算定が可能な仕組みづくりが必要との考えを提示した。安達委員は「全国を回った際にも、すでに地域内でグループをつくって行っている実態があった」と指摘し、そうしたグループで地域医療を支えている診療所が地域医療貢献加算の算定に前向きに取り組める仕組みが必要とした。
鈴木委員も「診療所がグループを編成して地域医療貢献加算を算定できるよう要件を緩和すべきだ」と指摘。現行の体系のままでは地域医療貢献加算の算定件数を大幅に増加させることは難しいとの考えを示した。(10/13MEDIFAXより)