外来機能分化促進へ総合診療医が必要/中医協・支払い側  PDF

外来機能分化促進へ総合診療医が必要/中医協・支払い側</h2.

 中医協の支払い側(1号側)と診療側(2号側)は、12月21日の中医協総会に2012年度診療報酬改定に向け改定の具体的項目に対する意見をそれぞれ提示した。改定に対する意見は、例年の改定時でも各側が提示しており、具体的な議論は、年明けの総会で行われる。

 支払い側の意見は白川修二委員(健保連専務理事)が説明した。慢性期入院医療については、医療区分・ADL区分の低い区分(いわゆる医療区分1)の報酬の減額を挙げ、療養病棟入院基本料の適正化を行うべきと打ち出した。診療側は引き上げを求めており、全く反対の提案となっている。

 外来医療の機能分化を推進させるためには、患者を総合的かつ計画的に診る医師「総合診療医」の育成が必要で、診療報酬の評価についても検討を開始すべきとの方向も示すなど、病院・診療所の機能・役割分担と財源配分の見直しを進める提案をしている。

 一般病床での90日以上の長期入院患者の評価は、13対1、15対1入院基本料について「特定除外項目」の内容を見直すとともに運用を是正すべきとした。すでに厚生労働省が提案しているように「療養病床と同様の包括評価に改める」「平均在院日数の計算対象に加える」などの見直しを行うべきとした。その際、長期入院患者の包括評価の在り方については、療養病床の包括評価と同基準とすることを検討すべきとした。

 亜急性期入院医療管理料については、回復期リハビリテーション病棟との関係を整理し、管理料の適正化を行うことが必要とした。厚労省がすでに見直し案を提示しており、支払い側は次期改定での実現を求めている。

 医療資源が限られた地域の病院に対する手当は、補助金などで対応することを基本とし、診療報酬上の評価の在り方については、患者負担を考慮し、慎重に検討すべきとクギをさした。すでに地域特性については厚労省案が提示されているが、実施する場合でも、診療報酬上の要件緩和の対象となる地域を限定すべきとしている。

●複数科受診には慎重論
 一方、外来診療での同一医療機関(病院)の複数科受診では、2つ目の初診料が算定できる取り扱いに加えて、再診料にも拡大することについては慎重に検討すべきとしている。複数科受診の評価については、診療側の病院団体が強く求めている要望項目だが、支払い側が異を唱えた格好だ。

 さらに、支払い側は特定機能病院と500床以上の病院の外来医療の縮小は、外来医療の機能分化と勤務医の負担軽減の観点から必要と主張。厚労省が提案している紹介状のない患者に対する選定療養費については、患者の受療行動が変化するかどうかは不明確で、影響を検証すべきとしている。

 診療所の外来では、地域医療貢献加算について、休日・夜間での病院勤務医の負担軽減に確実につながるよう促進すべきとの方向を提示しているが、外来管理加算については、診療科間で算定状況が異なることを配慮しつつ、「適正化を前提に」検討すべきとした。(12/22MEDIFAXより)

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