外来放射線治療で診察回数見直し要望/放射線腫瘍学会
日本放射線腫瘍学会は8月19日、外来放射線治療の診察回数を現行の「毎回診察」から、一定の条件が満たされた場合は「週1回以上の診察」でもよいこととし「放射線治療照射管理料(仮称)」として診療報酬請求できることを求める要望書をまとめ、厚生労働省保険局医療課に提出した。
同学会の平岡眞寛理事長(京都大大学院医学研究科教授)は、厚労省保険局医療課長との面談後、取材に応え「患者の安全性確保が重要な視点であることを十分考慮し、放射線治療照射管理料(仮称)の条件を検討してきた。放射線治療専従の看護師、診療放射線技師の育成など環境整備にもめどがついてきた」とし、次期診療報酬改定で、放射線治療の診察回数見直しについて一定の道を開きたいとの意向を示した。
同学会は「放射線治療照射管理料」が算定できる一定の条件について▽放射線治療医が、最低週1回の診察、治療終了の確認、治療後の経過観察を行う放射線治療実施計画書を作成し、治療方法、予想される合併症とその時期、対応などを患者に口頭および文書で説明し同意を得る▽放射線治療専従の看護師と放射線治療専従の診療放射線技師を配置する▽いつでも医師による診察を受けられる体制を確保する▽放射線治療医が常勤していない施設では、院外の放射線治療医が常勤している近隣施設との連携体制を確保し、患者の安全を担保する─の4つを挙げている。
●約7割の患者「週1回の診察が妥当」
同学会が実施した「放射線治療経験者を対象にした診察回数に関する緊急アンケート調査」では、放射線治療医の診察頻度について68.6%の患者が週1回が妥当とし、過半数を上回る結果となっている。一方、毎日の診察が望ましいとした人は6.4%だった。「技師・看護師の問診+医師の診察週1回」が望ましいと答えた人は24.2%だった。
同調査は7月25日−8月12日に、5つの大学病院の外来で放射線治療経験者1123人を対象に行った。回答は1024人(回答率91.2%)。放射線治療医による診察回数が少なくて困る(困った)ことがあるか、との質問に対して「ない」との回答は994人(97.1%)、「ある」は20人(2.0%)のみだった。(8/22MEDIFAXより)