外国人の医療滞在、最長6カ月間可能に/11年1月からビザ運用  PDF

外国人の医療滞在、最長6カ月間可能に/11年1月からビザ運用

 外務省は12月17日、医療滞在ビザの運用を2011年1月から始めると発表した。法務省は、医療機関に入院するため来日した外国人について、11年1月から、滞在が90日を超えても在留資格を認める告示を官報で示した。これにより、入院して医療行為を受ける外国人は最長6カ月間、日本に滞在することが可能となった。

 外国人の医療滞在の条件緩和は、6月に閣議決定した「新成長戦略」の方針を受けて外務省と法務省が準備を進めてきた。新成長戦略では、高齢社会を迎えるアジア諸国で医療産業などの成長が見込まれるとして「医薬品等の海外販売やアジアの富裕層等を対象とした健診、治療等の医療および関連サービスを観光とも連携して促進していく」と記している。また、同じく6月に閣議決定した「規制・制度改革に係る対処方針」でも、日本を内外に開かれた医療先進国とするために、ビザ発給要件などを緩和する姿勢を打ち出していた。

●国内医療機関の事前同意が必要
 新たな医療滞在ビザでは、有効期間が従来のビザの3カ月から最大3年に伸びる。1回の滞在期間が90日以内の場合、有効期間内であれば、必要に応じて何回でも来日できる。1回の滞在期間は最長6カ月だが、90日を超える場合は医療機関への入院が条件となる。

 さらに、必要に応じて外国人患者の同伴者の入国も認める。患者と同伴者の親戚関係は問わず、同伴者の数についても制限は設けない。外国人患者の受け入れについて日本は遅れているとの意識から、ほかのアジア諸国よりも規制を緩やかにしたという。外務省は「人道的観点も踏まえ、治療などで来日を希望する外国人にとって一層利用しやすいものとなっています」とアピールしている。

 ビザ発給の対象者は「一定の経済力を有する者」となっており、在外公館が判断する。入国する外国人の身元保証は、医療コーディネーター会社や旅行会社が担う。外国人患者の受け入れは、国内のすべての病院、診療所で可能だ。ただし外国人患者はビザ発給を受ける前に、医療コーディネーター会社などを通じて、治療の日程や料金について日本の医療機関と調整しなければならない。ビザ発給の際には、日本の医療機関の事前同意が必要となる。

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