基礎的財政収支の黒字化「達成困難」/ 「中期方針と10年展望」の原案  PDF

基礎的財政収支の黒字化「達成困難」/
「中期方針と10年展望」の原案

 政府の経済財政諮問会議は1月6日、内閣府が提示した「経済財政の中長期方針と10年展望(仮称)」の原案を基に議論し、内容を了承した。2011年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス・PB) の黒字化目標について、内閣府として初めて「達成が困難」との記述を採用。11年度の黒字化を「努力目標」とするものの、実質上の目標達成先送りを示唆する表現を随所にちりばめた。

 原案では、前回の08年末の諮問会議で提示した「素案」で具体的な記載を見送った「財政健全化」に向けた考え方などを追記した。

 11年度のPB黒字化については、世界的な金融危機と経済悪化などにより「目標の達成は困難になりつつある」と認めた。さらに「急変する世界経済の状況等により目標達成時期が遅れる場合であっても、その遅れをできる限り短くするよう、財政健全化に取り組む」とも記載し、困難な目標であることをうかがわせる記載とした。一方、「当面、財政規律の観点から、現行の努力目標の下で、景気回復を最優先としつつ、財政健全化の取り組みを進める」との表現を盛り込むことも忘れなかった。

 次回会議では内閣府の試算を提示した上で諮問・答申を目指す。その後閣議決定する。(1/7MEDIFAXより)

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