基準は「未収金60万円超」/保険者徴収で通知改正
厚生労働省は9月13日付で、患者一部負担金の未払い額が60万円超の場合を保険者徴収の対象とすることなどを盛り込んだ保険局長通知の改正を、都道府県などに通知した。保険者徴収実施に至るまでの入院患者に関する医療機関の未収金回収努力として、自宅訪問による催促などを求めている。
改正されたのは、保険局長名で1959年3月30日付で発出した「一部負担金の徴収猶予及び減免並びに療養取扱機関の一部負担金の取扱いについて」。保険者徴収の対象とするのは▽未収金額60万円超▽被保険者の世帯が保険料(税)の滞納処分を実施する状態─のいずれかに該当する場合。入院患者の未収金に関する医療機関の回収努力として▽療養終了後、月1回以上電話などで支払いを催促▽療養終了後3カ月以内、および6カ月後に内容証明郵便による督促状を送付▽療養終了6カ月後に、少なくとも1回の自宅訪問による催促を実施(患者宅が遠い場合は近隣家族の訪問か、本人・家族との直接面会による催促)─が「必要と考えられる」としている。
併せて、入院患者の世帯の月収が生活保護基準以下で、預貯金が1カ月の生活保護基準の3倍以下の場合などは、一部負担金の減免対象とすることも明記した。
未収金の保険者徴収をめぐっては、厚労省の「医療機関の未収金問題に関する検討会」が2008年7月にまとめた報告書で、実施基準の明確化が必要だと指摘していた。これを受けて厚労省は、未収金に関するモデル事業を実施するなど実施基準を検討していた。実施基準を「未収金60万円超」としたことについて、厚労省保険局国民健康保険課は「モデル事業の結果のほか、これより少ない場合は少額訴訟の対象となることなども考慮した」としている。(9/15MEDIFAXより)