地域自殺予防情報センター新設へ/厚労省
厚生労働省は、地域ごとの自殺対策を効果的に進めるため「地域自殺予防情報センター(仮称)」を新たに設置する方針を固めた。同センターは医療機関など自殺対策にかかわる関係機関のネットワーク構築や人材育成に取り組むとともに、自殺予防に必要な情報を収集し、地域住民を含む幅広い層に役立ててもらう。同センター設置に伴い「自殺対策調整員(仮称)」を配置する。
同センターは2009年度以降、各都道府県・政令指定都市ごとに1カ所ずつ設置する予定。具体的には保健所や精神保健福祉センターなどに開設することが見込まれる。ただ厚労省は、開設する場所は各自治体の判断に委ねる方針で、自治体立病院などでも差し支えないとしている。
厚労省は、新たに配置する自殺対策調整員にネットワークの要となることを期待している。関係者間の連携を図り、地域での自殺対策の支援体制を強化するためだ。調整員は、保健師や精神保健福祉士の有資格者を想定しており、既存の人員のやりくりではなく、新たに増員する形で置く。
同センターは自殺対策関係者を対象に研修会も開催する。消防関係者や学校関係者のほか、自殺対策支援に取り組む民間団体向けの研修も行う。研修の実施についても、同センターによる弾力的な取り組みを求め、地域事情に合わせた研修対象、研修内容とする。
このほか、同センターは、地域の自殺対策のニーズに応じた情報収集を行う。自殺との関係が深いうつ病などの治療を受けられる医療機関の情報に加え、福祉サービスなどの情報も自殺対策にかかわる地域の資源と位置付けて幅広く収集。地域住民にも活用してもらうことを想定している。
厚労省はセンター設置で09年度予算概算要求に8600万円を計上。47都道府県、17政令指定都市にそれぞれ1カ所ずつ、計64カ所の設置を予定している。(9/12MEDIFAXより)