地域医療再生、750億円削減/補正見直し、オンラインは94億円減
政府の2009年度補正予算見直しで、長妻昭厚生労働相は10月9日、厚生労働省分として計上されていた地域医療再生基金(3100億円)のうち750億円、レセプトオンライン請求をする医療機関などを支援する事業(291億円)のうち94億円などの執行を停止する方針を明らかにした。厚労省の新たな執行停止は854億円で、すでに執行停止の方針を示していた分と合わせると5213億円の削減となる。今回の執行停止について長妻厚労相は「次期診療報酬改定で十分に地域医療に資する対応を行うことが前提」と述べ、10年度診療報酬改定の財源に振り替える可能性を示唆した。
診療報酬改定財源への振替えも示唆
地域医療再生基金については、10カ所に配分予定だった100億円規模の計画を見直し、各都道府県2カ所に一律25億円規模の事業を配分することにした。長妻厚労相は「基金に代えて、例えば診療報酬などで地域医療に手厚く充てる措置の方が有効と判断した」と述べた。
ただ同基金の削減分750億円全額を診療報酬改定の財源とするかどうかについては「診療報酬改定のほか、医学部定員増や地域・診療科での医師の偏在の問題も含め、トータルで対応したいと考えている。いずれかの原資に使うということで拠出した」と述べた。
レセプトオンライン請求に関しては「最終的には100パーセント(の医療機関で)レセプトオンラインを実現したい」との私見を示したが、「強引に進めて目標を達成できなくなっては元も子もない。補正予算はオンライン請求義務化を前提に計上している」と見直しの理由を説明した。
地域医療再生基金は6日時点では全額確保する方針としていた。しかし、政府の補正予算執行停止の目標額3兆円に達しなかったため、再度、各省庁に削減額の積み増しが指示されたのを受けて削減対象となった。ほかに執行停止となったのは、医薬品等の研究開発強化から6億7000万円など。
地域医療再生基金の減額について、山井和則厚生労働政務官は同日の会見で「医療の無駄を削ったということではない。より効果的な使い道に変えようという趣旨」と説明した。(10/13MEDIFAXより)