地域医療充実への対策が急務/南丹市審議会が答申
京都府南丹市での医療体制の確保策や地域医療の在り方を議論してきた市医療対策審議会が答申をまとめ、佐々木稔納市長に12月5日提出した。
審議会は市議や医師会、住民代表などで構成。計5回の会議をまとめた答申は▽医師不足▽広い市域での医師偏在、医療格差▽医療機関への交通アクセス―などの課題を挙げ「地域医療を充実させる対策が早急に求められている」と指摘した。
丹波の中核的医療施設、公立南丹病院は「医師が不足して現在提供している医療の継続さえ不安がある」とし、特に産婦人科、小児科、麻酔科は亀岡市や京丹波町と協力して、医大に医師派遣を要請するといった対応を求めた。
人口が多い地域に医療機関が偏在する現状から、市内にある無医地区をすべて抱える美山町などでは「公的診療所で初期医療ができる体制を将来にわたって確保するための支援が必要」とした。
さらに、バス路線やダイヤの見直しによる交通手段の確保、開業医と総合病院が連携する効率的な医療の確立、訪問診療、訪問看護をはじめ在宅医療の充実も要望。その上で「医療体制の確保を具体化するには行政の財政措置が必要」とした。市はこの答申を基に医療施策を進める方針。