地域医療の再生を求める意見書採択/鹿児島県議会  PDF

地域医療の再生を求める意見書採択/鹿児島県議会

 鹿児島県議会は、7月6日、鹿児島県保険医協会も参加する医師・医学生署名をすすめるかごしまの会の請願を受けて、「地域医療の再生を求める意見書」を採択し、金子万寿夫県議会議長名で衆参議院議長、内閣総理大臣、財務、文科、厚労大臣宛に提出した。

 これは、昨年夏に全国で始まった「地域医療の再生を求める医師・医学生の請願署名」の取り組みを機に、「かごしまの医療を考える集い」などが開催され、医療従事者、行政、地域住民が一体となって鹿児島の医療危機、医師不足を立て直していこうという動きの中で実現したもの。

 意見書では、日本の医療は、公的医療費抑制政策が続く中、現場の医療関係者の懸命な努力で支えられてきたが、医師不足、過密労働で限界を超え、医療崩壊が全国で急速に進み、いのちの不平等、地域格差が広がっていると指摘している。また、今回政府が医学部定員増へと政策を転換したことを歓迎するが、単に医師数を増やすだけでは地域医療・病院医療の崩壊は止めることはできないと述べ、「今こそ国が社会保障費、医療費、教育費に必要な予算措置をとり、実行ある対策を早急に実施することで医療崩壊を阻止し、国民皆保険制度に対する国民からの信頼を回復するよう」要望している。

 その上で、(1)地域医療を守るために、勤務医が働き続けられるよう抜本的な施策を早急に講ずること(2)OECD諸国並みの医師数を目指して、大幅な医学部定員増を早急に行うとともに、医学部の教育体制を拡充すること(3)生涯にわたって全国何処でも医師が学び続けられるように、指導医の確保など医師研修制度を充実させること(4)それらに必要な予算措置をとること―の4項目を要望した。診療報酬、10%以上の引き上げを/保団連が決議

 保団連は8月24日、神戸市内で22−23日に開いた「第27回病院・有床診療所セミナー」で採択した決議を、舛添要一厚生労働相あてに送付した。診療報酬の10%以上の引き上げや、介護療養病床廃止の撤回などを求めている。

 1980年代からの社会保障費抑制政策と4回連続の診療報酬マイナス改定などが、医師や看護師不足による医療提供体制の崩壊に拍車を掛けていると主張。体制の改善には診療報酬の引き上げが必要とし、2010年度の改定では、医科と歯科、病院と診療所の外来・入院を問わず、総枠10%以上の引き上げを実施することを求めている。

 「介護難民」や「療養難民」の増加を食い止めるため、介護療養病床廃止の撤回と介護報酬の引き上げ、医療療養病床の拡充なども求めている。

 決議ではそのほか▽外来管理加算の5分ルール廃止▽医科と歯科、病院と診療所、ともに初診料を300点、再診料を100点に引き上げる▽すべての病院と有床診療所の入院基本料を、人件費を含めた必要な経費が保証できるよう引き上げる▽療養病床の医療区分や一定範囲を包括した報酬を廃止し、人件費や医療提供の費用を正当に評価する―などを要求している。(8/26MEDIFAXより)

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