地域の支援活動、政策に反映/舛添厚労相

地域の支援活動、政策に反映/舛添厚労相

 舛添要一厚生労働相は7月3日、兵庫県の県立柏原病院を視察後に記者会見し、小児科存続のために住民が支援した同院のような支援活動が広がることが、医療再生には必要との認識を示した。地域への具体的な対策は国の直接的な指導・介入ではなく、地域が実情に合った方法で支援活動を展開し、国がそれを支えていく形が望ましいとした。そのために必要な措置は立法化・予算化し、政策に反映させていく考えも示した。

 視察に訪れた舛添厚労相に対し病院側は、小児科は存続できたものの、依然として医師不足が深刻な状況だと訴えた。これに対し舛添厚労相は、医師の増員などを柱とする医療再生ビジョンを打ち出すなど、国としても構造的な医療制度改革に取り組んでいると強調。「医療再生のプランがなければ、無理に医師を連れてきても続かない」と述べ、構造的な問題解決に着手していることに理解を求めた。

 地域の医療体制については特に「2次救急の崩壊は大きな問題」とし、「これに手を打ちたい」と述べた。また、医師の疲弊を防ぐには、同院が取り組んだような「コンビニ受診」の抑制や病院前トリアージ(患者選別) が必要と指摘。同院の「県立柏原病院の小児科を守る会」が作成したような患者向け啓発パンフレットの普及が必要とした。相談体制については、地域の医師会の役割を重視した。

 医師不足が深刻な同院では2007年、小児科存続が危ぶまれたが、子どもを持つ地域の母親などが中心となって同会を組織。支援活動を展開したことで医師確保に成功し、小児科存続が実現した。活動には早くから舛添厚労相も関心を寄せていたという。舛添厚労相は「これを参考に医療体制の再構築に生かしていきたい」と述べた。(7/4MEDIFAXより)

ページの先頭へ