地区医師会長との懇談開く  PDF

地区医師会長との懇談開く

 
大転換する医療に戸惑いの声
 
 協会は9月6日、地区医師会長との懇談会を開催。地区から14人、協会から8人が出席した。司会を山本理事が務めた。協会は「医療・介護提供体制と医療保険制度の一体的改革」と「新専門医制度と総合診療専門医」についてそれぞれ情報提供し、その後意見交換を行った。
 
地域まるごと「非営利HD型」法人構想を危惧
 
 懇談会では、「医療・介護提供体制と医療保険制度の一体的改革」の流れの中で議論されている「非営利ホールディングカンパニー型法人制度」が中心の話題となった。地区医師会から病院が急性期・回復期・在宅期に至るまでのすべてをまかなうべく、サテライト診療所の開設をはじめ他地区の病院や診療所などまで子会社化し、患者を囲い込むとすれば、個人診療所が淘汰され、あるいはグループに属さないと生き残れなくなるのではと危惧する意見が出された。
 また、民間とは別に都道府県を中心とした法人の創設も検討されているが、都道府県の地域医療ビジョンなど医療政策がうまく運ぶように、法人化している診療所を都道府県の管理下に置き、強制的に協力させようというのが狙いではないかという意見も出された。
 協会からは、この制度の目的はグループ内ですべてのことを完結させ、たとえ医療費が増大しても社会保険診療等が増大しないシステムをつくることだと考えられる。
 グループに属せばその方針に従った診療を強制され、今まで取り組んできた診療内容が大きく変更させられる恐れがあるので、グループに属するかは慎重に考えなければいけない。
 また、「自治体中心型」「中核病院中心型」「地域共同設立型」の3モデルが考えられている。政府は、グループ内で資金繰りや患者繰りを完結すれば、2025年問題は一定の目途が立つと考えているようだ。
 しかし、それはあくまでも採算がとれる医療圏に限定され、過疎地をはじめとした不採算地域は都道府県などを中心とした自治体に担わせるのではないかという話もあり、まだまだ不明な点が多い制度であることは間違いない。
 さらに、経済界からは民間営利企業の参入推進などの要望も出ており、今後の動きには十分注視する必要があると説明を行った。
 
地域医療支える開業医の位置づけ不明瞭
 
 さらに、「新専門医制度と総合診療専門医」に関して、制度開始を間近に控え、既存の開業医の位置づけや総合診療専門医の取得の必要性などに関して、危惧する声が聞かれた。
 また、すでに開業医は地域において「かかりつけ医」としての役割を果たしている。なぜ総合診療専門医が必要なのかよくわからないといった意見も出された。
 協会は、指摘のあった問題点や疑問点はその通りであり、こちらからも積極的な発言が必要であること。また、総合診療専門医の資格取得については、今後の動向に注視していってほしい。そして、同時にすでに各学会に所属している医師に対しては、新制度への移行に際し、今までの経験等が活かせるような措置を講じるよう要望していかないといけないとも述べた。
 その他にも、「消費税再増税問題」「地域包括ケアシステムの問題点」などで意見交換した後、垣田理事長より「本日いただいた貴重な意見・要望は今後の協会活動に反映していきたい」と述べ、閉会した。

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