地区医師会長との懇談開く 一体改革等巡り意見交換  PDF

地区医師会長との懇談開く 一体改革等巡り意見交換

 協会は9月24日、地区医師会長との懇談会を協会会議室において開催した。地区から18人、協会から6人が出席、増田副理事長の司会で進められた。関理事長から協会活動への協力のお礼など挨拶。垣田副理事長から「社会保障・税一体改革成案」、鈴木副理事長より「2012年診療報酬・介護報酬同時改定を巡る動き」について情報提供を行い、その後、意見交換を行った。

 協会からの情報提供に関して地区からは、国の債務状況から見ても、世論は増税やむなしという雰囲気である。消費税の社会保障目的税化を提起した上で、消費税を5%増税するということだが、実際はその内1%分しか社会保障の改善に充てられない。協会は5%すべてを社会保障改善に充てるように要求していくのか。それとも、全く違った考え方を提言するのか。現状で5%の増税をしたとしても、将来的にはもっと消費税を上げなければいけなくなるといわれている。協会として、増税をしなくても、別の手段で社会保障費を賄えるのだという提言を打ち出してもいいのではないか、と意見が出された。

 これに対し協会からは、消費税だけに社会保障財源を求める目的税化では限りなく増税するか、給付の範囲を狭めるかという構造になってしまう。消費税増税や目的税化だけでは、問題は解決しない。現在、協会は、新たな福祉国家の姿を求めるということで、現状の政治の在り方を転換し、国の責任による社会保障がなされる国家を作るべきであるということを提起している。

 また、地区から「地域包括ケアシステム」の提供体制について、ケアマネジャーを中心に構築されており、医師の位置付けがないことに不安を感じている。ケアマネジャーの権限強化や業務範囲拡大の過剰さを危惧している。協会としては、こういった体制をどのように考えているのかとの質問が出された。協会からは、地域包括ケアシステムについては、開業医の地域での役割を強化する方向で主張すべきと考えている。現在、「地域包括ケア検討委員会」を発足し、議論を重ねている状況だ。2025年の様々な医療の形態が提起されているが、本当に実態を伴った改革になっているのか、現場の視点に立って問題点を指摘するしかないと考えている。

 さらに、医療スタッフ確保に苦労している状況が地区から報告された。看護師を採用したいと思ってもなかなか見つからないので協会の将来的な事業の1つとして、人材紹介事業に取り組むことは考えていないのかと質問が出された。

 協会からは、現在「新規開業支援室」の立ち上げを進めている。その事業の1つとして、医師を含めた医療スタッフの紹介業務ができるかどうか、有限会社アミスの活用も含めて検討したいと答えた。

 その他にも、エコキャップ運動に代わる社会的貢献活動の取り組みの要望や、子宮頸がんワクチンをはじめ各種ワクチン問題、特定健診の現状、新規開業時の地区入会を巡る話等、意見交換が行われた。

地区医師会会長との懇談会であいさつする関理事長
地区医師会会長との懇談会であいさつする関理事長

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