在宅推進・ライフイノベ予算で改革一歩前進/厚労省医政局
厚生労働省医政局の2012年度予算案は、11年度予算より70億1800万円少ない1625億8700万円(前年度比4.1%減)となった。医政局では、特別枠で要求した「在宅医療・介護推進プロジェクト(在宅推進プロジェクト)」や、臨床研究中核病院の整備費、地域医療支援センター拡充などの社会保障・税一体改革実現に向けた関連予算について一定の予算を確保したことから、「必要な予算を確保できた」と説明している。
9月の概算要求では特別枠として「在宅推進プロジェクト」に127億円(医政局分61億7000万円)、ライフ・イノベーション推進に388億円(同194億4000万円)を要求したが、医政局が確保した12年度予算は在宅推進プロジェクト14億3000万円、ライフ・イノベーション推進事業47億4000万円となった。
●在宅推進プロジェクト、厚労省全体で35億円
在宅推進プロジェクトは厚労省全体で35億円を計上し▽在宅チーム医療の人材育成(1.1億円)▽多職種協働による在宅患者支援に向けた拠点整備(23億円)▽個別疾患に対応したサービス充実・支援(11億円)を確保した。新規事業として▽在宅医療拠点薬局の整備▽栄養ケア活動支援▽複合型サービス事業所、定期巡回・随時対応サービス、訪問看護ステーション大規模化などの支援▽国立高度専門医療研究センターでの個別疾患研究―なども盛り込んだ。
●臨床研究中核病院の整備に34億円
ライフ・イノベーション推進事業では、革新的医薬品・医療機器創出に向けた臨床研究中核病院の整備・機能強化に34億円を充てる。新規事業として5カ所を整備するうち、1カ所は復興庁が計上する東日本大震災復興特別会計(仮称)で被災地に整備する。
●地域医療支援センター、5カ所整備し20カ所に
都道府県への設置を進めている「地域医療支援センター」については、11年度新規事業として整備した15カ所に加え、12年度にはさらに5カ所を整備して全国で計20カ所とする。(12/26MEDIFAXより)