在宅医療の夜間対応「知らない」6割/患者・家族への意識調査
厚生労働省の在宅医療普及啓発推進事業として東京都内で3月5日開かれた市民フォーラムで、患者・家族への意識調査から、在宅医療の具体的な内容が知られていないことが普及の障害となっているとの指摘があった。推進事業の一環として調査を実施した大阪大コミュニケーションデザイン・センター助教の平井啓氏が発表した。
意識調査は民間調査会社に登録する一般生活者モニターのうち、がんもしくは心疾患で通院中の患者500人と、同居する家族500人の計1000人を対象に実施した。「在宅医療」という言葉を知っている患者・家族は約40%で、聞いたことはあってもよく知らないと答えた患者・家族は約60%だった。
在宅医療の内容では「介護・ケアの方法を家族に教えてくれる」65%、「緊急時など必要に応じて入院先を紹介してくれる」55%と、漠然とした知識については比較的、認知度が高かった。一方、「休日・夜間でも対応してくれる」38%、「薬剤師が訪問して正しい服薬などを指導してくれる」36%、「心電図や超音波検査ができる」34%、「病院で提供されている医療の多くは自宅でも行える」33%など、具体的な医療内容については知らないと答えた患者・家族が6割を超えた。
平井氏は、患者・家族が在宅医療を選択するようになるには、在宅医療への肯定的評価を上げ、不安をぬぐい去ることが重要とし「普及・啓発には適切な知識を提供することが大切なのではないか」と提言した。(3/8MEDIFAXより)