在宅医療「モチベーション維持が課題」/日医総研WP
日医総研はこのほど、「在宅医療を担う診療所の現状と課題」と題したワーキングペーパーをまとめた。在宅療養支援診療所を届け出ている診療所(届け出あり)とそれ以外で在宅医療を行っている診療所(届け出なし)に分けて現状を分析した。今後の方針として在宅医療を縮小すると回答した診療所は全体で14.2%あり、モチベーションの維持が課題として浮かび上がった。
今後の在宅医療の方針については、全体で「現状維持」が最も多く60.9%、「拡大」が17.2%、「縮小」が14.2%だった。縮小する理由では「年齢や体力」が最も多く77.0%、次いで「対応できる体制の維持が困難」が37.4%となった。
「届け出あり」と「届け出なし」に分けて見ると、「届け出あり」の今後の方針は「拡大」が21.3%、「現状維持」が61.5%、「縮小」が11.8%。対して「届け出なし」では、「拡大」が10.3%、「現状維持」が59.8%、「縮小」が18.3%と、届け出の有無で差が見られた。
体制について見ると、在宅医の総数は「届け出あり」で1施設当たり1.7人、「届け出なし」で1施設当たり1.2人だった。1施設当たりの在宅患者数は「届け出あり」が28.2人、「届け出なし」が9.7人。在宅医療の業務時間は「届け出あり」が35.1時間、「届け出なし」が11.9時間で、「届け出あり」の患者数と業務時間はともに「届け出なし」の約3倍となった。
受け入れについては「寝たきり、または準寝たきり」を受け入れ可能と回答したのは全体で93.1%、「認知症」77.2%、「呼吸器疾患」72.4%などとなった一方、「小児」は24.0%と低い割合だった。2010年の4−10月の間で在宅看取りを行った診療所は「届け出あり」で63.6%、「届け出なし」で44.8%だった。
調査は「届け出あり」が764施設、「届け出なし」が458施設の計1222施設を分析した。(7/6MEDIFAXより)