国立大で新生児ICU増設/周産期医療強化、塩谷文科相が表明  PDF

国立大で新生児ICU増設/周産期医療強化、塩谷文科相が表明

 妊婦の救急搬送が病院に拒否される事態が相次いだ問題を受け、塩谷立文部科学相は12月5日、大学病院での周産期医療を強化する計画を表明した。新生児集中治療室(NICU) の稼働率が9割を超えることから、NICUがない国立大9校の付属病院に2012年度までに最低6床ずつ新設するなどの施設整備を進める。

 大学病院(本院) のNICUや母体・胎児集中治療管理室、継続保育室の病床数は、医学部のある国立42校で平均11.4床。公立の16.0床、私立の29.8床を下回る。計画では、4年間で国立大の半数にこれらを最低20床ずつ確保する。

 NICUなどには専任医師を常駐させる必要があるため、公私立大を含め、人材確保・養成も支援する方針だ。

 周産期医療を行う国公私立の大学病院は分院を含め113あり、28が総合周産期母子医療センター(全75施設) に指定されるなど地域の中核として機能している。

 文科省の調査では、07年度の大学病院での分娩件数は合わせて約5万件で、2年前より20%増加。早産などリスクの高い分娩も24%増の約2万800件となった。NICUの平均病床稼働率は93%で、「常に満床に近い状態。受け入れを断る原因になっている」(同省大学病院支援室) という。

 4割の病院が病床新設・増床を予定していると回答。一方、人材確保や財政が厳しいと訴える大学が多く、「周産期センターでは通常分娩を扱わないなどの役割分担が必要」などの意見も出た。(12/8MEDIFAXより)

ページの先頭へ